高岡御車山は1588年(天正16年)太閤豊臣秀吉が、後陽成(ごようぜい)天皇と正親町(おおぎまち)上皇を聚楽第(じゅらくだい)に迎え奉るときに使用した御所車を加賀藩初代藩主・前田利家公が拝領し、二代藩主・前田利長公が1609年(慶長14年)に高岡城を築くにあたり、町民に与えられたのが始まりと伝えられています。
この御所車に鉾を立てたものが御車山で、高岡町民の心意気と財力に支えられ、安土桃山文化の格式を保ちつつ、高岡の金工、漆工、染色などの優れた工芸技術の装飾が車輪や高欄(こうらん)、長押(なげし)等に施された日本でも屈指の華やかな山車(やま)です。江戸時代の名工達によって7基が揃いました。「高岡御車山祭の御車山行事」は国の重要有形民俗文化財・無形民俗文化財の両方に指定されており、これは日本全国で5件指定されている内の一つです。
※他の4件は、京都祇園祭の山鉾行事 / 高山祭の屋台行事 / 秩父祭の屋台行事と神楽(秩父夜祭)/日立風流物
毎年5月1日に行われる前田利長公を祀る高岡關野神社の春季例大祭で、高岡市内の開町当時から続く旧市街中心部を奉曳(ぶえい)巡行します。4月30日の宵祭りでは一部の山車(やま)のライトアップ展示を見ることができます。